NEO THEORY FANTASYの歌詞考察

 

先日アンティーカの新曲「NEO THEORY FANTASY」のFULLバージョンが

音楽配信サービスから先行配信されました。

ゲーム先行公開の時点であれこれ考察してしまうぐらいの素晴らしい曲で

満を持ってFULLバージョンが公開されました。

既に他の方々が色々な考察を出し尽くしたと思いますが、

自分の考えが纏まったのでここに形にしておこうと思います。

 

先ずは肝心の歌詞についてなのですが、

ペトラさんの考察にて歌詞の内容と素晴らしい解釈が

掲載されていますので合わせて参考にしてみてください。

petra0116.hatenablog.com

 

ではここから私の解釈を話していきます。

最初に大多数のP様が言っている赤ずきんの話をモチーフとしているという解釈が

納得できませんでした。理由としまして歌詞の内容と赤ずきんの物語の結末が

合わないと思ったからです。

Cメロにて未来を変える事を歌っていますが

ハッピーエンドで終わる赤ずきんの物語を何故変えるのか?

そこが合点せず今まで赤ずきんの物語の線を捨ててきました。

ですが赤ずきんの物語は1つではありません。私がそうでしたが

恐らく大半の方は赤ずきんと聞いて

所謂「グリム童話版」の赤ずきんを想像するのではないかと思います。

グリム童話版は1810年頃にドイツで生み出されたものですが、

それより100年以上前にフランスで生まれた「ペロー童話版」の赤ずきんもあり、

この「ペロー童話版」の赤ずきんこそがNEO THEORY FANTASYの

根底にある物語だと考えました。

 

ではなぜ「ペロー童話版」赤ずきんだと考えたか、物語の内容を

簡潔に追っていきます。

冒頭のおばあさんのお見舞いに行くまでの話は殆ど一緒なのですが、

狼に出会うところから変わってきます。

狼(おじいさんの姿に化けた姿)はどこへ何しに赤ずきんへ聞き出すと

「わしも会いたい。わしはこっち、お前はこっちの道から

どっちが先に着くか競争じゃ。」と提案し

狼は近道を全速力で、赤ずきんは遠い道を蝶を追ったり花を摘んだり

遊びながら向かいました。そして狼が先に辿り着くとおばあさんを食べ

ベッドの下へ隠れ後はグリム童話と似たような流れで赤ずきんをも食べてしまいます。

この後教訓が入りそして終わりです。

え、ここで終わるの?

そうなんです、猟師が登場し赤ずきんとおばあさんが生還するようになったのは

グリム童話版からなのです。

 

それでは以上の流れを抑えて考察していきます。まず歌詞に敷かれた物語は

「ペロー童話版」赤ずきんでアンティーカはこの物語の2人は狼に食べられ

死んでしまう悲しい結末を変えようとしていると思われます。

introの会話部分から考察していきたいのですが、

その前に1つ重要な箇所がるのでそこを先に考えていきます。

それは「紫の蝶」です。

この蝶が何を指しているのかを考えますと

いくつか考えが出てきたので1っ個ずつ追っていきます。

 

まず1つ目は蝶が「変化」の象徴を表している考え。

これは蝶が蛹から羽化する際のイメージで醜い姿から美しい姿へ変わることから

ポジティブな変化を表しているそうで、

歌詞の迷い込んだ後悲惨な現状から好転するために

見つけようとしていると連想できます。

 

2つ目は「復活/再生」としての象徴を表している考え。

キリスト教では復活のシンボルとして

捉えられていて蝶には死者の魂が宿っている、

または死者の魂が変化したものと言われています。

 

ここが重要になってくるのですが、なんで「紫の蝶」が大好きなのでしょうか?

紫についてはユニットカラーですし特に裏付ける考えはないのですが問題は蝶です。

ここで一度歌詞全体を眺めるとどことなく自分たちの事を歌っている内容が

多く見られますが取り分け目立つのが2番Bメロ頭の咲耶パートです。以下抜粋です。

「あぁ、弱った心取り繕い胸を見せる勇者の仮面を被って」とあります。

さて、皆様これを聞いて何を思い起しますか?

大部分の方が感謝祭のストーリーを思い起すと思います。

咲耶が個人の未来を考えユニット解散の可能性を

考え様子が変になるお話でしたが、

まさにその時の咲耶自身を歌っていると受け取れます。

紫の蝶が「復活/再生」の象徴を表すなら、

「例え離れ離れになっても、また5人全員が揃い輪が再生する、

ユニットとして復活できる」そんな願いがあるから大好きなのではないでしょうか?

またこの解釈ですと蝶は死者の魂が宿ったもの、

すなわち赤ずきん物語で狼に食べられ命を落とした

あかずきんとおばあさんの魂そのものだとも考えられます。

アンティーカが変えようとしているのは

本来ある狼に食べられ終わるBAD ENDから蝶に生まれ変わり

2人が再会する終わりだと考えられます。

 

 

さてここからはintro会話部から順番通りに歌詞を紐解いていきます。

三峰からの提案(お休みブーストじゃないよ)は

赤ずきん物語の悲しい結末を変えたいため、

死者の魂が宿ったと言われている蝶を探しに行って、

生まれ変わって2人は再会できた」という

物語に変えようと提案していると解釈できます。

咲耶の「きっと喜んでくれると思う」は

正に赤ずきんとおばあさん2人の事を指しています。

そして5人は蝶を探しに出発します。

 

1番Aメロでは

恋鐘パートにて「無敵」とありますがこれは恋鐘自身のイメージ、

そして5人揃ったアンティーカを指してると考えられます。

この「無敵」については終盤にも触れます。

そして(聞き分けに自信がなく間違っていたら申し訳ないのですが)

続く三峰のパートでは赤ずきんを連想するワードがいくつも出てきますね。

アンティーカの5人は歌詞通りここで離れ離れになり

赤ずきんの世界に入り込んでしまい迷子になってしまいます。

もちろん自分自身がこの世界における赤ずきんの役なのだと思われます。

これは余談なのですが三峰パートの終わりで「霧の中」で終わるのですが

続く1番Bメロの歌い出しのソロパートを担っているのが霧子なんですよ…すごい…

 

さて1番Bメロです。

ここは歌詞通り迷子のまま右往左往している様子が伺えますが、

先に話した「ペロー童話版」の赤ずきんでの

付け足されている教訓部分にこんな話があります。

「子どもたち、とりわけ若い娘たちが誰にでも耳を貸すのはとんだ間違い、
そのあげくに狼に食べられたとしてもすこしも不思議はない。」

このBメロは正にこの教訓部分そのものを歌っていると読み取れます。

だとすると「秘めた扉」は真に目指すべき場所へ繋がっている扉なのでしょうか。

また、摩美々のソロパートで「過ちの方へ導いた」とありますが、

これってめんどくさがりで楽な道を選ぶ

摩美々自身の事も歌っているとも考えられます。

赤ずきんの物語は誘惑のお話ですしここも繋がりが深いと感じ取れます。

 

そして1番サビです。

「星のせせらぎ」は1度は耳にしたという方も少なくない言い回しだと思いますし

そこまで重要に思えませんが恋鐘の感謝祭コミュでウチらなら

海や宇宙、どこまでも行けると言いその後星空に変わり一番星を見つけます。

「古きウタ」というのは恐らく赤ずきん物語そのものを指しているとも思いますが、

アンティーカ視点で考えますとまた違った解釈も見えてきます。

アンティーカって皆個性がばらばらでチグハグな印象ですが、

共通点である好きなもの「ゴシック」で繋がっています。

また、バベルシティ・グレイスでは

「でも1つだけ残されているボクらを繋ぐモノ」

そしてサビで何度も繰り返される「~Our Song!」とありますが、

この「Song」の部分が繋がりだとも受け取れますよね。加えて大サビでの

「Believe Our Song! キミとボクを結ぶライン

伝って走るよ Phrase 希望…聞こえる?

バベルシティ・グレイス 響いてく彼方へと—」とあります。

迷子になってどのくらい時間が経ったか分かりませんが

(よく現実世界に帰ったら時間は全然立ってなかったなんてオチもよくありますし)

ウタが道しるべそのものという考えもあると思います。

表題からしバベルの塔が関連してる点を考慮すれば

紀元前のお話ですし「古き」の部分とも繋がります。

ただ赤ずきん物語を指していると考えれば、

狼に食べられれば再会できるのではないかという

考えも生まれるかもしれませんしこちらの線も消せないです。

そして迷子になった私たちが再会できるように(5人が揃う=ユニット復活)その象徴、

introで出発した目標である紫の蝶を探しに行きます。

 

さてやっと2番Aメロです…

ここは聞き取れない部分が多く内容的にも依然迷っている状況ですし

あまり触れる点がないのですが、「廃墟」という言葉について少し考えます。

ゲーム内の3周目の恋鐘のP-SSRの思い出APの英文があるのですが、

そのまま和訳しますと「深い森の中に誰もが忘れてしまった古いお城があります。

物語は5人の女の子が迷子になった場所から始まります。」

とありますが衣装がジャケットイラストのものと一緒ですし

この英文がこの歌のことを言っているのは分かります。

また城=廃墟とも受け取れ他の4人の思い出APの

演出で続きがあるかもしれませんし今後が楽しみです。

 

2番Bメロですが

こちらも先に十分触れていますし割愛します。

 

2番サビです。

「立ち塞ぐ残酷が口を開けた」とありますが、

「残酷」とは狼の事を指してると思われ

いよいよ未来を信じながらも狼に食べられ闇へと落ちてしまいます。

本来の赤ずきん物語ではここで終わってしまいますが

アンティーカの物語はまだ終わりません。

 

Cメロ。

闇の中で5人は再会します。咲耶パートの「光に触れたよ」は

また感謝祭を連想してしまう泣きワードですが

ここで私たちなら出来ると未来を変えようとします。

実際そんな都合よく闇から脱出し物語の結末を変えることができるのかと

少し疑問を抱いてしまいます。

ここで関係してくるのが「無敵」という言葉です。

恋鐘がよく言う「皆揃えばなんだってできる。」「ウチらなら無敵ばい。」

ここら辺の台詞が強く反映されていると考えられます。

歌詞全体を見てソロパートでは悲観的なものが多い反面、

複数人で歌う部分は前向きな言葉が多い印象を受けますが、

正に5人一緒なら前へ進めるという気持ちが伝わります。

 

そして大サビ。

闇を突き破り5人は元の世界に帰ってきます。

「救いより僕ららしい真のEND」は

私たちが変えた赤ずきん物語は完全なる救いではない、

「予定調和はない、あったのは揃いの気持ちだけ」は

グリム童話版のような都合のいいハッピーエンドはない、

そして2番Bメロの三峰パートを入れ替えて

「それでも止まらず目指してた、理由は皆辿り着けると信じるから」の気持ちのこと、

「見渡せば紫の蝶が舞ってた(待ってた?)」は

恐らく1羽だけではなく赤ずきんとおばあさんの

魂が宿った蝶が現実世界で再会できた「僕ららしい真のEND」の表現、

そして5人が再びこの世界で再会できたことの象徴です。

若しくは5人の配役は皆赤ずきんの訳ですし

蝶が1羽でもそれはおばあさんの魂が宿った蝶で、

現実世界で再会できたことを表現しているのかもしれません。

 

やっと歌詞全体の内容を追うことが終わりました。

まとめますとNEO THEORY FANTASYとはさしずめ、

「現実のアンティーカとリンクしたペロー童話版赤ずきんの新理論」

と言ったところでしょうか。

アンティーカの5人はそれぞれ形は違いますが、

どこか寂しい一面を持った女の子たちです。

その悲しさや痛みも歌詞でよく表現されていると感じます。

そんな彼女たちをどことなく赤ずきんの姿に自身と重ね合わせてしまったからこそ

物語の結末を変えたいと思ったのかもしれません。

Cメロでの闇の中の底で出会えたというのも

まだ5人が出会う前、各々が別々の寂しさと対峙し

暗い現実の中で巡り合えたことを歌っているとも受け取れます。

またジャケットイラストでは5人がそれぞれ狼を従わさせている、

というより寄り添っているように見えますがこれは

「私たちは¨痛みや苦しみ¨と寄り添い、でも5人なら大丈夫なんだ」

という意図が見えます。

 

ではこの新しい物語での教訓はどういうものなのでしょうか。

赤ずきん物語では蝶を追ったり花を摘んだり誘惑されても

寄り道してはだめ、誰にでも耳を貸す優しげな女の子は危ないと

言ってきていますが、アンティーカ版では進んで蝶を見つけようと

誘惑され寄り道しているように受け取れます。

ですが結末は狼に食べられ終わる悲しい結末ではなく蝶となって2人は再会するもの。

恐らくアンティーカが提示しているのは絶望の中の闇の底で5人は再会できた、

そしてそれは赤ずきんとおばあさんもきっと同じです。

例え辛い現実に押し負けても仲間がいれば無敵、

仲間の為に行う行動が例え寄り道だとしても

培われた絆に比べれれば取るに足りないこと。

そうして生まれた絆は絶対的なものであることの証明。

未来だって変えられる。こういうことだと考えます。

そして大サビの頭では闇を突き破り

「世界はNEO THEORY FANTASY」、

つまり私たちが提示した赤ずきん物語に変える事が成功し、

赤ずきんとおばあさんが再会します。

赤ずきんだって花を摘んでいますが、

それはおばあさんを喜ばせたい気持ちもあったかもしれません。

相手を喜ばせるための回り道は決して無駄ではない。

そんな気持ちが根底にあるのかもしれません。

 

以上が私なりの解釈になります。

悪魔で私個人の考えでありそれこそ解釈は人の数ぐらいあると思いますので

私の解釈を参考にしてもらって構いませんし「それは違うよ!」と違う解釈で

論破してもらっても嬉しいですし是非とも皆様の解釈が聞きたいです。

自分は本当にアンティーカが好きですが大好きなユニットでこんなにも

素敵な楽曲が登場するとは思っていませんでした。

(こういうのはアルストロメリアの仕事かと思ってた)

C/Wのラビリンス・レジスタンスもほんと楽しみです…

 

最後になりますが粗末で読みにくい文章を

最後まで読んでくださってありがとうございました。

今回は歌詞メインで曲の展開等には触れずに考察してきましたので、

今後は曲としての要素も加えて考えてみたいです。

それではまた。